2009年01月16日(金) 23時23分
旅客機の鳥衝突、日本でも多発 抜本策なし(産経新聞)
航空機が鳥と衝突する「バードストライク」は国内でも多発している。国土交通省によると、民間航空機で平成15年から19年までの5年間に5687件発生。19年だけでも1320件発生している。大半が機体(機首や主翼前縁)への衝突で、エンジン部分への衝突は230件だが、「エンジン停止」は起きていない。航空自衛隊でも19年に47件のバードストライクが報告されているが、トラブル発生はない。
ただ、「鳥を避けようとして大きな操作をすると(航空機の)性能に影響が出るかもしれない。逃げた方向に鳥の群れが来るとか、他の飛行機、障害物があるとか。そういう状態になったらどうしようもない」(日航現役操縦士)といい、抜本的な対応策は見当たらないのが現状だ。
日本航空と全日空では、「機長が異常を感知して自主的にエンジンを停止したケースは過去にある」というが、今回のニューヨークの事故のようにバードストライクが直接の原因でエンジンが停止した例はこれまでになく、「エンジン2基停止も、原因がバードストライクというのも恐らく初めてのケースではないか」(同)という。
日航や全日空によると、空港周辺で鳥の群れを発見した場合は、操縦士が管制塔に通報し「バード・スウィープ(鳥駆除)」を要求するほか、各空港での鳥の状況に関する情報を共有、注意喚起を促している。
空港側でも鳥対策を講じており、成田空港では(1)1日4回の滑走路パトロール(2)週1回程度業者による散弾銃での駆除(3)エサとなる虫の発生予防のための草刈り−などを実施している。
航空事故調査にあたる国交省運輸安全委員会によると、「重大事故、インシデント、イレギュラー」と事故の程度による3段階の区分で、過去にバードストライクによる重大事故は2件発生しているが、いずれも「機体損傷」で航行に影響はなく、負傷者も出ていない。
最近では、20年3月11日に福岡空港を離陸した日本航空のボーイングMD90型機(乗員乗客132人)が離陸2分後にバードストライクに遭い、操縦席右側下機首部分の外板がへこむ損傷などが確認された例がある。
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