島根県埋蔵文化財調査センターは13日、弥生時代の集落遺跡である松江市の西川津遺跡から、占いに用いた卜骨(ぼっこつ)が出土したと発表した。県内で2例目。弥生人の精神世界をうかがう貴重な資料としている。
シカの左肩甲骨を利用した卜骨で、長さ15センチ、横6.5センチ、厚さ0.4センチ、重さ24.7グラム。突起部分を削った後、焼いて熱した鉄や木の棒を当て、穴を開けたり、ひびを入れて占いをしたという。
同センターは、加工方法などから弥生時代後期から古墳時代前期にかけての卜骨と見ている。同遺跡では、建物跡、土器、農具、釣り針などがこれまでに出土しているが、祭祀(さいし)に使ったと見られる卜骨が出土したことで、集落の新たな側面を探る資料になるという。17日午前10時から西川津町大内谷の現地で説明会がある。
【写真説明】西川津遺跡から出土した卜骨