2009年01月15日(木) 18時13分
次期退役軍人長官に日系3世のシンセキ氏(産経新聞)
【ワシントン=有元隆志】次期米退役軍人長官に指名された日系3世のエリック・シンセキ元陸軍参謀総長(66)の承認のための公聴会が14日、上院退役軍人委員会で行われた。自身もベトナム戦争で負傷したシンセキ氏は、承認後、退役軍人支援に直ちに着手する決意を示した。
シンセキ氏の紹介役を務めたのは同じ日系人でハワイ選出のイノウエ上院議員。退役軍人でもある共和党の大統領候補だったドール元上院議員も同席した。
イノウエ氏はシンセキ氏が2003年2月の上院軍事委員会公聴会で、「イラクの安定化には数十万人の兵士が必要」と証言したことを紹介し、「多くの人は政権側が好むような発言すると思ったが、彼はそうしなかった。真実を語った」と称賛した。
出席者からは「これ以上の適任は想像できない」(ロックフェラー議員)などとシンセキ氏起用を高く評価する声が相次いだ。
退役軍人省は米省庁の中で規模では国防総省に次ぎ2番目に大きい。約2400万人の退役軍人を抱え、イラクやアフガニスタンから帰還した兵士らへの医療・教育支援問題など多くの課題がある。「動きの鈍い省」とも批判されてきた。
陸軍ナンバー2の参謀総長になるなど巨大組織を運営する経験を積んできたシンセキ氏は「21世紀型の組織に変えなければならない」と述べ、組織改革を断行する方針を強調した。
祖父の代に広島県から米国に移住したシンセキ氏は、ハワイのカウアイ島で生まれ、陸軍士官学校を卒業後、陸軍に入隊した。20日の上院本会議で承認される見通しで、ハワイ出身者としては初の閣僚となる。
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