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2009年01月15日(木) 14時57分

防人新法、作業着手へ 議連、政府に早急調査求める産経新聞

 長崎県対馬市で過疎化が進み、不動産が韓国資本に買い占められるなどしている問題で、超党派の国会議員からなる「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(山谷えり子会長)は14日の総会で、国境・離島問題を解決するための「防人の島新法」(通称)制定に向け具体的な作業に着手することを決めた。山谷会長は「対馬は人口が減り、経済的にも厳しい状況にある。領土を守るという意思を持って、対馬の産業振興を図っていきたい」と危機感を強め、政府に対馬問題に関する早急な調査を求めることを明らかにした。

 総会には、自民、民主、無所属の衆参両院議員19人と代理人22人が参加。「領土議連」と自民党の「真・保守政策研究会」(中川昭一会長)が昨年12月20日に行った対馬視察について、領土議連事務局長の松原仁衆院議員(民主)が報告。この中で、自衛隊の国防意識の低さや対馬の安全が脅かされている実態を強調した。

 松原氏は「他国との国境を接している離島には、特段の配慮が必要。可及的速やかに対応すべきだ」と話し、超党派による防人新法制定の必要性を訴えた。

 戸井田とおる衆院議員(自民)も「今回、話題になったのがチャンス。今を逃したら、次に誰も目も向けないことがありうる。遠慮せずにやってほしい」と、政府の積極的な対応を求めた。

 また、視察団のひとり、山内俊夫参院議員(自民)は「対馬のイメージが阻害された。飛行機がない航空自衛隊、船を持たない海上自衛隊では、島民の命を守れない」と不満を示した。

 一方、有村治子参院議員(自民)は長期的な視野に立って対馬を含む領土を守る必要性を指摘した上で、「国境を守ってくれている対馬の方々を支援すべきだ」と、同議連が中心となって全国から募金活動を行うことを提案した。

 同議連は今後、各議員の意見に基づき、防人新法制定の作業に入ることを確認。必要な手続きについて、山谷会長と事務局に一任することで一致した。

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■議連視察団報告の詳細

 「日本の領土を守るため行動する議員連盟」の14日の総会で、明らかになった国会議員の対馬視察団報告の詳細は次の通り。

 一、自衛隊の国防意識がきわめて低い。

 (1)わが国の国境離島では唯一、陸、海、空の自衛隊が配備(隊員数700人)されているが、防衛隊としての機能が充分とはいえない。

 ※陸上自衛隊には実弾が足りずに訓練が行き届いていない。

 ※海上自衛隊には艦船がない。

 ※航空自衛隊にはヘリさえない。

 (2)韓国資本に買収された海上自衛隊の隣接するリゾートホテルに対して、海上自衛隊は危機意識を感じていなかった。

 ※この買収された場所は旧日本海軍の軍事施設であり、そこを韓国に買収させることに象徴されるように領土意識が希薄になっている。(真・保守政策研究会の平沼赳夫最高顧問の意見)

 (3)海栗島にある航空自衛隊への部隊の移動は民間の定期フェリーであることや、防衛施設が無防備であることからも防衛意識が低いことが伺われる。

 二、対馬の安全が脅かされている。

 (1)密漁やまき餌釣りが横行しているが、警察や海上保安庁による取締りが不十分。

 (2)韓国人の観光客が多くなるにつれて税関の人数が足りなくなり密輸が横行する恐れがある。

 (3)海岸に面した土地を外国資本に買収されれば密航者を阻止できなくなる。

 三、経済的にも韓国に頼れないことが明らかとなった。

 (1)韓国のウォン安にともない、観光客が激減し、韓国からの観光客相手の商売が行きづまっている。

 (2)観光客の誘致のためのアリラン祭に対して、地元からの不満が募っている。

 (3)観光客の激増は一部の経済界は潤っても、多くの島民にとって経済効果があるとはいえない。

 ※韓国による密漁、まき餌釣りは対馬の漁業に打撃を与えている。経済的自立ができなければ、後継者が育たなくなり、人口減少を引き起こしている要因となっている。

 四、一〜三を解決するために超党派による防人新法を成立させるべきである。

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