2009年01月15日(木) 03時09分
西松建設の資金に複数ルート、タイ受注工作や献金か(読売新聞)
準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)が海外の裏金を税関を通さずに国内に持ち込んだ事件で、東京地検特捜部は14日、同社元副社長・藤巻恵次容疑者(68)(現・顧問)ら4人を外国為替及び外国貿易法(外為法)違反容疑で逮捕した。
同社が過去10年に東南アジアなどで捻出(ねんしゅつ)した裏金は総額約10億円。特捜部は今後、裏金の使途を捜査するとともに、同社を巡る複数の不透明な資金ルートの解明を本格化させる方針だ。
特捜部は、裏金の一部が、タイで西松建設が工事を受注するための工作費に使われた可能性が高いと見ている。関係者によると、バンコク都庁が2003年度に同社などの共同事業体(JV)に発注した洪水対策トンネル工事に絡み、同社はJVを組んだ現地企業と共に4億数千万円を拠出。これがタイの政府高官らに渡った疑いが浮上している。特捜部はタイの検察当局に不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)容疑で捜査協力を要請したが、現地企業が関与しているため、当面は現地での捜査の行方が焦点になりそうだ。
一方、特捜部は、西松建設がOBを代表にした二つの政治団体を隠れみのにして国会議員らに行っていた献金についても捜査。これらは他人名義での献金や政党以外への企業献金を原則禁止している政治資金規正法に違反する疑いがあるため、同社関係者から事情聴取を重ねている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090114-00000076-yom-soci