2009年01月15日(木) 02時33分
<建築確認>「タヌキの森」に建築違法 新宿区が逆転敗訴(毎日新聞)
タヌキもすむ東京都新宿区の住宅跡地へのマンション建設に反対する周辺住民が起こした行政訴訟で、東京高裁(大坪丘裁判長)は14日、住民側の請求を認めて新宿区の建築確認を取り消す逆転判決を言い渡した。マンションは今春完成予定。住民側代理人によると、工事が進んだ建物の建築確認を取り消す判決は珍しいという。
問題となったのは、同区下落合4に建設中の3階建て30戸の低層マンション。敷地の周りはがけ状になっており、長さ約34メートル、最小幅4メートルの空き地だけで外の道路に通じるが、災害時の避難のために建物敷地が接する道路の幅を定めた都条例では、幅8メートルの通路が必要とされていた。
区側は、中庭の設置などを根拠に安全上支障がなく、条例の例外規定にあたると主張していた。しかし、大坪裁判長は「幅8メートルの通路がある場合と同程度の安全はなく、例外を認める根拠はない」と結論付けた。
周辺住民は樹齢200年の古木がある「タヌキの森」の保存を求め、公園用地として買収するように区に要望。しかし、区は土地を買収できず、06年に工事が始まっていた。
原告の1人は「当然の判決。元の緑はなくなってしまったが、土地を更地に戻して、公園を造ることを目指したい」。代理人の弁護士は「判決が出た以上、工事の停止と建物の除去を求めたい」と話した。
新宿区は「判決を十分に読んで適切に対応したい」とのコメントを出した。【銭場裕司】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090115-00000012-mai-soci