2009年01月15日(木) 02時31分
<日銀>社債買い取りへ 企業の資金繰り支援(毎日新聞)
日銀は14日、企業が資金調達のために発行する社債を買い取る方向で検討に入った。21、22日に開く金融政策決定会合で議論し、合意が得られれば、年度内に買い取りを始める方針。金融危機の影響で市場が混乱し、悪化している企業の資金繰りを支援する狙い。
日銀は昨年12月の決定会合で、社債の一種であるコマーシャル・ペーパー(CP)の買い取り購入を決めており、これに続く資金繰り支援策となる。
長期資金を調達する社債は短期資金向けのCPより損失リスクが大きい。日銀は慎重に検討してきたが、資金繰りがひっ迫する年度末を控え「さらに踏み込んだ企業金融の支援が必要」との判断に傾きつつある模様だ。
日銀は現在、金融機関から売り戻し条件付きで社債を買い取り、市場に資金を供給している。検討しているのは、企業が発行した社債を保有する金融機関から完全に買い切る手法。売り戻し条件がないため、金融機関は安心して企業から社債を購入でき、資金繰り緩和効果が見込める。
ただ、償還までの期間は、CPが最大3カ月程度なのに対し、社債は最大10年。償還までの期間が長いほど、発行した企業の倒産などで損失が発生するリスクも高い。このため、日銀は社債の買い取りに、社債の信用力を示す格付けや償還までの残り期間が短いことなどの条件を付けることもを検討する。
昨年9月の米リーマン・ブラザーズ破綻以降、投資家が損失を恐れてCP・社債市場が冷え込み、優良企業でもCPや社債の発行を見送る例が相次いでいる。年度末には社債の大量償還を控え、企業が借り換えできずに資金繰りに行き詰る事態も懸念されている。【斉藤望】
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