2009年01月15日(木) 02時16分
<宿泊施設>再開放求め混乱 野宿者続出 名古屋市(毎日新聞)
失業と同時に住居を失う派遣労働者が後を絶たず、名古屋市が確保した宿泊施設の満室が続いている。宿泊場所を求める相談者に市も対応しきれない。失業者向けの相談窓口が設けられている同市中村区役所では14日、年末年始に臨時開放した港区の宿泊所の再開放を求める宿泊希望者らと市職員の交渉が紛糾、騒然とした空気に包まれた。【中村かさね、山田一晶】
年が明けてから1日約100人が相談に訪れている中村区役所のロビーは、この日も100人以上であふれた。13日夜から宿泊場所が見つからず、ロビーで夜を明かした人も。14日の宿泊場所を確保できたのは14人という。
支援者らは市との交渉で、今月7日まで約400人に開放されていた元港湾労働者のための宿泊施設の再開放を求めた。交渉は、宿泊場所のない人たちを含め約50人が取り囲んだ。市側は「施設は老朽化が進んでおり、開放は臨時。現行制度の中で努力をしている」と開放を拒否。若杉賢二・市生活福祉部長が「今日はお帰りいただき、あしたお越しください」と告げると、相談者からは「家がないから来ている。どこへ帰ればいいのか」と怒りの声が上がった。押し問答は4時間近くにわたり物別れに終わった。この日、宿泊施設が確保できなかったのは数十人に上り、うち12人がそのまま区役所に残った。
市はこれまで694人分の宿泊場所を確保。このうち旅館などを利用した緊急宿泊施設では、今年度633万円の予算を計上していたが、昨年11月までに2000万円の経費がかかっているという。
今月5日から市内の公園で野宿している杉山光伸さん(31)は「行政には期待していなかったので、やっぱりか、という気持ち。今夜も野宿か」と途方に暮れていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090115-00000007-mai-soci