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2009年01月15日(木) 14時35分

裁判員制度の問題点点検、法務省が有識者会議設置へ読売新聞

 国民が刑事裁判に参加する裁判員制度が5月にスタートすることを受けて、法務省は同制度の見直しを検討するための有識者会議を3月中にも設置することを決めた。

 裁判員法の付則に施行3年後の見直し規定が盛り込まれていることに伴う措置で、15日午後に初会合を開く最高裁の「裁判員制度の運用等に関する有識者懇談会」と並行して、制度の見直しの是非などについて検討する。2011年秋をめどに法相に提言する予定だ。

 04年に成立した裁判員法は付則で、施行から3年後に「施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは所要の措置を講ずる」と定めている。最高裁の有識者会議が、学者や弁護士、検察官などで構成し、裁判員へのアンケート調査などを行い、主に運用状況を検証していくのに対し、法務省の有識者会議は法曹関係者以外の視点も取り入れながら制度上の問題点を点検する。

 法務省は近く人選に着手するが10人程度で構成する見通しだ。

 裁判員制度を巡っては、裁判員候補者の4割が辞退を希望するなどの回答票を最高裁に返送しているほか、与野党の一部議員から「国民の理解が深まっていない」との指摘が出ている。

 実際に制度が始動するのに合わせ、死刑の判断や守秘義務などが、国民に過重な負担となっていないかどうかなどについて検証し、問題があると判断すれば、制度の改善を法相に提言する。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081128-033595/news/20090115-OYT1T00491.htm