裁判員裁判の評議の際、録画した証人尋問などのやり取りを再生できる「音声認識システム」のテスト運用が14日、大阪地裁で公開された。
今後、実際の裁判でテストを繰り返し、すべての裁判員裁判で活用できるよう配備する。
裁判員・裁判官は、証人尋問や被告人質問を見聞きして有罪か無罪かなどをそれぞれ判断し、9人の評議で話し合って判決を決めるが、議論の場で尋問などをどう正確に振り返るかが課題だった。
最高裁によると、このシステムでは、証人や被告の発言の様子を正面からカメラ撮影し、音声は文字データ化して記録する。その後、評議でキーワードや発言者などでパソコン検索すれば、再現したい場面の映像をすぐに呼び出せ、記憶を確認できる仕組み。裁判員裁判が行われる60地裁・支部の計約160法廷に、3月までに機材を配備する。
大阪地裁ではこの日、模擬証人尋問が行われ、警察官役の裁判所職員が実況見分の状況を証言。撮影後、パソコンの画面に検事役との一問一答が表示され、「血痕」というキーワードを入力すると、これを含んだやり取りだけが絞り込まれ、該当する部分の映像が再生された。
尋問などは地元の言葉が使われることが少なくないため、関西弁用のプログラムも開発された。検事役から「血痕の状況を観察した経験は何回あるか」と聞かれた警察官役の職員が「数えきられへんですね」と言うと、関西弁が忠実に再現された。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081128-033595/news/20090114-OYT1T00847.htm