皇居の宮殿「松の間」で15日、新春恒例の「歌会始の儀」が行われた。「生」を題にした天皇、皇后両陛下や一般からの入選者らの歌が、伝統的な節回しで披露された。
一般応募の2万1180首の中から選ばれた福岡県久留米市の中学2年北川光さん(14)ら入選者の10人も参列し、最初に歌が詠み上げられた。青森県つがる市の農業中村正行さん(80)は2年連続の入選。
続いて選者、陛下に招かれて歌を詠んだ召人(めしうど)の民俗学者谷川健一さん(87)、秋篠宮さま、皇太子妃雅子さま、皇太子さまの歌が順に朗詠され、最後に皇后さまの歌が2回、陛下の歌が3回繰り返して詠み上げられた。
陛下は、1993年末に赤坂御所から現在の御所に住んで以来、皇居内で多くの生物が互いに影響し合って生きている様子を見ながら過ごした感慨を「生きものの織りなして生くる様(さま)見つつ皇居に住みて15年経(へ)ぬ」と詠まれた。
皇后さまも、早春の御所の庭で蚊柱をなして舞うユスリカの群れの姿を「生命(いのち)あるもののかなしさ早春の光のなかに揺り蚊(ユスリカ)の舞ふ」と詠んだ。
皇太子さまは94年に訪問したサウジアラビアの砂漠に根を張る草花の生命力を、雅子さまは昨年春に学習院初等科に入学した長女愛子さまの制服姿の様子を歌にした。
病気療養中の雅子さまは欠席した。
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