「最も辞めてもらいたい議員は?」—。鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(49)が自身のブログで、市議15人全員の実名を挙げ「市議会不人気アンケート」としてネット投票を呼び掛けていることが14日、分かった。市議側から「市民から信任を得ている議員に失礼だ」と批判が上がる中、市長は「思いつきの実験です。やりたいからやっているだけですよ」と語った。
騒動に発展しているのは、竹原市長の個人ブログ「阿久根時事報」12日付の記述。「市議会不人気アンケート」と題し「市議会で最も辞めてもらいたい議員は?」との質問を設定しネット投票を募った。選択肢には、市議15人全員の実名と「全員辞めてほしい」「全員辞めてほしくない」が挙げられ、クリックすると投票経過が円グラフで表示されるシステム。14日午後10時現在では、京田道弘議長が最多の約700票を集めている。
これにかみついたのが不人気投票の対象となった市議側。「議会制民主主義を無視している。市民から信任を得ている議員に失礼だ」と市長を激しく批判した。
しかし、竹原市長は市議らのリアクションを「意見の相違ですね」と受け流し、ブログから削除するつもりはないとしている。「どんなデータが出るのか、という思いつきの実験です。やりたいからやっているだけ。市民の評価を受け、反省すべき人は反省して努力するのは当然のこと。そう考えれば(不人気投票が市政の)力になるかもしれないんです」
竹原市長は前日の11日付のブログで「市長を支持しますか」と自身の支持率アンケートも行っている。「支持する」「支持しない」「どちらでもない」の3つの回答がある中、14日午後10時現在で「支持する」が50%弱で推移。市長は「厳しいなあ。支持が7割ぐらいあってもおかしくないのに」と、残念そうに語った。
地元出身。剣道4段の腕を持ち、5人の子供たちのパパでもある竹原市長は防衛大卒業後、航空自衛隊に入隊。建設会社社員をへて05年に市議選初当選。昨年9月の市長選では5547票(次点は5040票)を獲得し当選を果たした。
しかし、告示後の選挙戦真っ最中にブログを更新し、他候補を「選挙に出る資格もない」などと批判したことが発覚。数人の市議は「公職選挙法に抵触している恐れがある」として刑事告発する考えを明かしている。さらに、昨年11月には同ブログに「市議会は解散すべきか?」とのアンケートを掲載し、今回同様に市議側から猛反発を受けるなど、ブログをめぐる騒動が相次いでいた。
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