記事登録
2009年01月15日(木) 00時19分

<歯科診療所>無料診察、中止を指導 北海道毎日新聞

 札幌市内の2カ所の歯科診療所が診療報酬の患者負担分を事実上無料にしている問題で、北海道は診療所を運営する医療法人社団「はまなすデンタル医療機構」(同市中央区)と、患者と診療所の「仲介役」となっているNPO法人「CMケア機構」(同)に対し無料診察をやめるよう13日付で行政指導した。道は23日までに改善計画書を提出するよう求めており、指導に応じなければ医療法と特定非営利活動促進法(NPO法)に基づき両法人の認可・認証の取り消しも検討する。

 問題となっている無料診察は、患者がアンケートに答える「労務費」をCMケア機構から受け取ることで診療費の自己負担分が相殺される仕組み。診療所側が同機構に広告料などを払う形で事実上、診療費を負担している。同機構の事業報告書によると、労務費を支出した患者数は06、07年度の2年間で延べ8121人、総額約990万円に上る。

 同機構は「低所得者への支援」と主張するが、07年度の事業報告書には「診療機関の売り上げが通常売り上げの2倍に向上した」との効果をうたった記述もある。診療所に対しては厚生労働省北海道厚生局が8日に行政指導しており、従わなければ保健医療機関の取り消しを検討する。

 医療法人の理事も兼務する仁科雅晴・CMケア機構理事長(78)は、患者がいったん自己負担分を払って労務費を受け取る形式をとっていることを強調し「無料診察ではない。患者への支援はやめない」と話している。【鈴木勝一】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090115-00000001-mai-soci