2009年01月15日(木) 22時26分
「北朝鮮に兵器級のウランある」ライス長官が懸念(読売新聞)
【ワシントン=宮崎健雄】ライス米国務長官は、米紙ワシントン・ポストのインタビューで、「北朝鮮には、秘密裏に輸入あるいは製造した兵器級の高濃縮ウランがあると情報機関は確信している」と述べた。
12日に行われたインタビューの内容を国務省が14日公表した。根拠については明言しなかったが、「率直に言って、高濃縮ウラン問題に関する我々の懸念は高まっている。問題だ」と述べ、強い警戒感を示した。
北朝鮮は2002年、米政府に対し、ウラン濃縮計画を一度は認めたものの、その後は否定。6か国協議の場でも、ウラン濃縮計画に対する検証を実質的に拒んでいる。米政府内の一部でも、ウラン濃縮計画はあったものの、実際には核兵器の原料となる高濃縮作業には至らなかったとの見方が出ていた。
しかし、今月に入り、チェイニー副大統領が「北朝鮮は高濃縮ウランを生産する計画を継続しているようだ」と述べたほか、ホワイトハウスのハドリー国家安全保障担当補佐官も「情報機関の一部は、北朝鮮が秘密裏にウラン濃縮計画を継続しているとの懸念を強めている」と発言していた。
専門家からは、クリストファー・ヒル国務次官補が核交渉で妥協を重ねたことを不愉快に思う副大統領ら強硬派が、政権末期をとらえて大げさに強調しているだけとの見方も出ているが、ブッシュ大統領も12日の記者会見で、「懸念の一つは、(北朝鮮に)高濃縮ウラン計画があるかもしれないということだ」と言及しており、米政府内で疑惑が強まっているのは明らかだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090115-00000063-yom-int