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2009年01月15日(木) 21時52分

<定額給付金>「見直しを」財政審会長、異例の要請毎日新聞

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の西室泰三会長は15日の総会後の会見で、政府が08年度第2次補正予算案に盛り込んだ総額2兆円の定額給付金について、「財政審の大勢は使途見直しが必要との意見。政府も何らかの対案を考えてほしい」と再考を求める考えを明言した。

 政府の審議会が国会審議中の予算案の見直しを求めるのは極めて異例。西室会長は財務省の事務方から「刺激的な表現は避けてほしい」と要請されたことも暴露したうえで、定額給付金見直し論を展開した。

 西室会長は、同給付金をめぐる与野党の対立で第2次補正予算案の国会審議が遅れている点も見直しの理由として指摘、「国会が空転して(定額給付金以外の)経済対策の実施が遅れれば、景気への影響が大きい」と述べた。

 西室会長によると、同日の総会では委員から定額給付金について「他の経済活性化策に振り向けるべきだ」「同様の施策が次々出てきたら、国家財政は破綻(はたん)する」などと批判が相次いだという。

 財政審は財務相の諮問機関で、税財政の専門家ら学識者や企業経営者、報道関係者など30人で構成。現在は東京証券取引所会長でもある西室氏のほか、吉川洋・東大大学院教授や勝俣恒久・東京電力会長らがメンバー。翌年度の予算編成に関する建議(意見書)を秋にまとめるなど、国の財政運営全般について助言を行っている。【清水憲司】

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