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2009年01月15日(木) 21時49分

三菱UFJ2880億円の評価損 通期で最終赤字も産経新聞

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は15日、平成20年10〜12月期連結決算で、傘下の三菱東京UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行を合わせ計2880億円の有価証券評価損を計上すると発表した。昨秋の金融危機で株価が急落し、保有株の含み損が拡大したため。この結果、2月6日に発表する同期の決算は最終赤字となる公算が大きい。21年3月期の通期では最終利益を2200億円と見込んでいたが、株価が急回復しない限り、17年10月のグループ発足以来初めて最終赤字に転落する可能性が出てきた。

 三菱UFJは20年9月中間決算でも、1452億円の有価証券評価損を計上した。しかし昨年9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)で金融危機が深刻化し、株価が急落。20年12月末の日経平均株価は8859円となり、9月末に比べ2000円以上も値下がりし、追加的な損失処理を余儀なくされた。

 4〜12月期の累計の有価証券評価損は4300億円超に膨らむ。企業倒産の増加による不良債権処理損失も増大しており、業績の大幅な下振れは必至だ。昨年10月末に公表した21年3月期の最終利益予想では、今回の追加的な損失処理を織り込んでおらず、このままの株価水準が続けば、単純計算で2200億円の利益がすべて吹き飛び、赤字に転落する。

 他のメガバンクも株価下落の直撃を受けている。三井住友フィナンシャルグループは、保有する三洋電機株をパナソニックに譲渡する売却益が1000億円前後見込まれるが、評価損処理で帳消しになり、最終利益が大幅に減少する可能性もある。みずほフィナンシャルグループも「現時点で減損処理が必要かどうか分からないが、厳しい決算を見込んでいる」(幹部)としている。

 財務体力の脆弱(ぜいじゃく)な地方銀行など地域金融機関が受けるダメージはさらに大きい。業績悪化で貸し出し余力が低下し、貸し渋りの動きが広がれば、資金繰りに苦しむ中小企業に追い打ちをかけ、景気をさらに冷え込ませる懸念がある。

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