2009年01月15日(木) 21時41分
「危険性知って」震災アスベスト被害のパンフ販売 (産経新聞)
神戸市のNPO法人が阪神大震災から14年となる今月17日、震災後の被災地で発生した石綿(アスベスト)被害の実態を検証したパンフレット「震災とアスベスト」を初めて発行する。同法人では「当時の被災地にいた誰もが、アスベストに冒される危険性があった。この事実を多くの人に知ってもらい、今後起こりうる地震で2次被害を防ぐため、発行に踏み切った」と話している。
きっかけは、震災後の復旧作業に携わり、胸膜中皮腫を発症した姫路市内の男性が昨年2月に受けた労災認定だった。姫路労働基準監督署は男性について「復興作業中にアスベストに暴露(ばくろ)され、中皮腫を発症した」と認定した。
「被災地でのアスベスト被害が認定された事実と、通常は20年以上とされる発症までの期間が短かったことに危機感を持った」と話すのは、発行にあたった「NPO法人ひょうご労働安全衛生センター」の事務局長、西山和宏さん(47)。
震災で、兵庫県では住宅など約30万棟が全半壊、約11万棟以上が解体された。だが当時、一部の専門家を除き、アスベストの危険性を認識している人はほとんどいなかったという。
パンフレットでは、被災当時の行政対応や、環境省によるアスベスト検知方法の不備を指摘。子供たちへのアスベスト教育の重要性や、災害時における対策の大切さを訴えている。
1部300円。申し込みは同センター((電)078・251・1172)。
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