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2009年01月15日(木) 21時35分

<ウクライナ>ガス供給遅滞でロシアと対立再燃毎日新聞

 【キエフ大前仁】欧州向けのロシア産天然ガス供給が滞っている問題で、ウクライナは「技術的な問題」が理由だとして、欧州連合(EU)にロシアとの仲裁を求めている。しかし、供給再開への準備不足をロシアに突かれた形になり、EUからは外交関係の見直しを警告されるなど、「八方ふさがり」の状況を打開できずにいる。

 ティモシェンコ首相は14日の閣議で、欧州向けガスについて「我々は輸送再開の準備ができている」としながら、ロシアからのガス供給量が少なく、圧力が足りないため輸送ができないと主張した。

 また、ロシアが欧州向けガス輸送の再開を試みたパイプラインについて、ウクライナは国内用のガス輸送に転用しているため、すぐには欧州向け輸送に使えないと釈明。ロシアに別ルートでの供給を求める一方、ロシアがこうした事情を知りながら一方的に供給再開ルートを決めたとして「すべての責任はロシアにある」(プロダン燃料エネルギー相)と批判している。

 これに対し、ロシア政府系天然ガス独占企業「ガスプロム」は、今回供給を再開したルートは欧州向けで、ウクライナが勝手に国内輸送に転用していたと非難。「圧力不足」についても、ウクライナがガスを抜き取らなければ問題はなかったはずだとしている。

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