2009年01月15日(木) 21時13分
<消費税増税>「反麻生」再び勢い 先送り論が噴出(毎日新聞)
11年度からの消費税増税を巡り、自民党の中川秀直元幹事長ら政権と距離を置くグループが再び勢いを増している。麻生太郎首相は09年度税制改正関連法案の付則に増税方針を明記する方針だが、15日本格化した自民党内の協議は先送り論が噴出し紛糾。内閣支持率の低迷で首相の求心力が低下するなか、消費税問題を舞台にした「反麻生」の流れが強まっている。
「税財政改革の道筋を示す中期プログラムを、税制改正法案の付則に盛り込むことは閣議決定している。協力をお願いしたい」
麻生派の中馬弘毅座長は15日昼、各派閥事務所を駆け足で回り、増税方針明記への理解を求めた。各派総会が予定される木曜日を迎え、首相は中馬氏に対し各派回りを指示。中馬氏に「『(増税方針明記の)考えは決して曲げない』と伝えてくれ」と伝言した。
しかし、景気後退もあり、自民党内の増税先送り論は勢いを強めている。15日の財務金融合同部会や政調全体会議では「行革をやらずに増税するのは、国民の理解が得られない」(塩崎恭久元官房長官)、「国民も党も私も許さない」(田村耕太郎参院議員)などの意見が続き、結論を週明けに持ち越した。
自民党の園田博之政調会長代理は政調全体会議で「財源論があいまいな民主党をやっつけようと首相は言っている」と述べ、首相の真意を代弁した。「責任政党」をアピールするはずの増税方針を修正すれば、政権の迷走ぶりが再び露呈しかねない。中期プログラムを巡る昨年末の与党内調整が難航した経緯もあり、自民党幹部は「付則に書かなかったら、内閣が吹っ飛ぶ」と言い切った。
政権批判を強める中川氏は15日、「首相には国民のための英断を期待したい」と述べ、増税方針の撤回を求めた。反対派には税制改正法案の衆院採決時、造反を示唆する声もくすぶる。公明党幹部は「政策というより政局。何かいうと巻き込まれるので静観する」と語った。【三沢耕平、近藤大介】
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