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2009年01月15日(木) 21時11分

<米国務長官>北朝鮮、兵器級高濃縮ウラン隠す…会見記録で毎日新聞

 【ワシントン草野和彦】ライス米国務長官は米紙ワシントン・ポストとの会見で、「情報機関は、北朝鮮が兵器級の高濃縮ウランを隠していると信じている」と語った。退任間近のブッシュ政権からは最近、高濃縮ウランの存在を指摘する声が相次いでいるが、ライス長官の発言は「兵器級」と踏み込んだ点で注目される。国務省が14日、ライス長官の会見記録を公開した。

 北朝鮮は高濃縮ウランの存在を否定している。ポスト紙は07年12月、北朝鮮が米国に提出したアルミニウム管から濃縮ウランの痕跡が検出されたと報道。アルミ管はウラン濃縮の遠心分離機に転用可能だが、北朝鮮はこれも否定していた。

 ライス長官は今回の会見で、アルミ管の痕跡について「それ以上のものとみられる。(北朝鮮で)製造されたか、輸入されたものだ」と発言。疑惑解明のためにも「北朝鮮の核計画申告の検証枠組みが重要」と強調した。

 ブッシュ大統領も最後の記者会見となった12日、「高濃縮ウラン計画が進行中との懸念がある」と述べていた。

 核兵器開発には、高濃縮ウランによるものと、プルトニウム抽出によるものがある。北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議では、高濃縮ウランによる核開発は、核計画申告の非公開文書扱いになった。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090115-00000140-mai-int