準大手ゼネコン西松建設の裏金をめぐる外為法違反事件で、東京地検特捜部に逮捕された
西松建設は当時、この建設会社と組み、東京電力関連施設から出る砂の搬出事業の受注を狙っていたとされる。特捜部は、西松建設がつくった裏金の一部が流用された可能性もあるとみて調べている。
最終的に事業は頓挫し、融資は金利を含めて返済されていないという。松栄不動産は「そんな融資はしていない」と否定している。
関係者によると、西松建設東北支店が「搬出した砂を埋める場所として適当な広い土地を福島県内に持つ建設会社がある。受注できれば数十億円の仕事だが、建設会社は経営難で、融資が必要だ」と社内で提案。
西松建設は、受注に向けた動きを表面化させないため、東京都港区に設立していた不動産会社を「ダミー」として間に挟み、松栄不動産が建設会社に融資したという。当時の松栄不動産社長は宇都宮容疑者だった。
西松建設は受注に成功すれば建設会社に下請け発注する予定で、砂を埋めた跡地にはトマトの栽培ハウスを造る計画を進めていたという。
特捜部は昨年、ダミーとなった不動産会社と福島県の建設会社を家宅捜索している。