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2009年01月15日(木) 00時00分

「穏やかな教授」になぜ 中央大キャンパス騒然中国新聞

 「穏やかで優しい先生だったのに…」。十四日に中央大で殺害された高窪たかくぼはじめ教授(45)を知る人々は凶悪な事件との落差に驚きを隠せず、テスト期間を間近に控えたキャンパスは騒然となり、大学側は対応に追われた。

 高窪さんは祖父や父も中央大教授で、妻は明治大理工学部教授という学者一家。上智大大学院を修了後、一九九七年に中央大理工学部の助教授、二〇〇三年に教授となった。十四日午前に講義を受ける予定だった三年の男子学生(21)は「単位を落としたとき丁寧に理由を説明され、親身になってアドバイスしてくれた。恨みを買うのは考えられない」と振り返る。

 同僚の理工学部教授も「被害者が高窪先生と聞いて恨みはまずないと思った。堅すぎるぐらいまじめで感じのいい人だった」と話した。

 世田谷区の自宅周辺では、仲のいい一家と評判だった。近所の四十代女性は「腰が低く、にこやかにあいさつしてくれた」。高窪さんの長男と同じ高校の男子生徒も「お父さんは優しそうな雰囲気の人だった」という。

 一方、大学は一月下旬のテスト期間や卒業論文の提出期限などを控え、現場の一号館四階も十人程度の学生が前日から泊まり込んでいた。

 事件後、大学は三つの門を一時封鎖し、三限以降をすべて休講に。残った学生は学生証で身元確認をされた。唯一の出入り口となった東門は大勢の報道陣と出入りする学生らでごった返した。

【写真説明】教授殺害事件で午後の全授業が休講となり、門の外に退去した学生ら(東京都文京区の中央大後楽園キャンパス)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901150151.html