準大手ゼネコン西松建設の元幹部らが計七千万円の裏金を無届けで海外から持ち込んだとして、東京地検特捜部は十四日、外為法違反容疑で海外事業担当だった元副社長
東南アジアで受注した事業などに絡み
特捜部はほかに、元海外事業部副事業部長
調べによると、四人は共謀し、二〇〇六年二月二十三日から〇七年八月二十七日の間、五回にわたり財務大臣に届けず、香港などから現金計七千万円を持ち込んだ疑い。
実際に持ち込まれたのは〇五年十月以降で、総額約一億円に上るが、公訴時効(三年)にかからない分が立件対象になった。
高原容疑者が裏金の運搬を担当。自分で管理する香港の口座などから引き出し、いったん東京の本社に運び込んだという。
高原容疑者は裏金づくりや持ち込みについて「会社の上層部から指示され、上層部に渡した」と供述。藤巻容疑者も任意捜査の段階で指示を認めていた。
高原容疑者は、西松建設とタイの大手ゼネコンとの共同企業体(JV)が〇三年に受注したバンコク都庁発注の洪水防止トンネル工事をめぐり「受注で便宜を図ってもらう見返りに、会社が四億円以上のわいろを現地当局者に渡した」などと説明していたとされる。
特捜部は、裏金の一部がこうした工作資金に使われたとみて裏付け捜査を進めている。
藤巻容疑者は昨年十月、副社長を退任し、非常勤顧問となっていた。