2009年01月15日(木) 20時02分
芥川賞に津村記久子さん…直木賞は天童荒太さん・山本兼一さん(読売新聞)
第140回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日夜、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に津村記久子さん(30)の「ポトスライムの舟」(群像十一月号)、直木賞に天童荒太さん(48)の「悼む人」(文芸春秋)と山本兼一さん(52)の「利休にたずねよ」(PHP研究所)の2作が決まった。
贈呈式は2月20日、東京・丸の内の東京会館で行われる。副賞各100万円。
津村さんは2005年にデビュー。昨年末、野間文芸新人賞を受賞。芥川賞は、連続して3回目の候補で栄冠を射止めた。
受賞作は、契約社員として働く工場の低賃金を補うため仕事を掛けもちする30歳前の独身女性が主人公。
芥川賞選考委員の宮本輝さんは「つつましやかに生活している女性たちの日々がてらいのない文章で描かれている」と評価した。
天童さんは1960年、愛媛県生まれ。96年、「家族狩り」で山本周五郎賞。2000年に「永遠の仔(こ)」で日本推理作家協会賞を受賞。直木賞は今回で3度目の候補だった。受賞作は、人の死に軽重を付ける現代社会に、一石を投じた問題作。
山本兼一さんは1956年、京都市生まれ。出版社、編集プロダクション勤務を経て、2004年、「火天の城」で松本清張賞。
受賞作は、千利休がなぜ茶道を大成し、秀吉に弁明せず死を受け入れたか、秘められた恋に触れつつ描いた歴史小説。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090115-00000050-yom-soci