2009年01月15日(木) 19時59分
<ガザ侵攻>被害額最大で1505億円、さらに拡大必至(毎日新聞)
【エルサレム高橋宗男】パレスチナ解放機構(PLO)系のパレスチナ開発経済評議会とパレスチナ自治政府統計局は15日までにそれぞれ、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区侵攻による被害について初期推計をまとめた。それらによると、被害は14億〜17億ドル(約1240億〜1505億円)に及び、復興には5年以上かかるとみられる。イスラエル軍の攻撃は続いており、被害がさらに膨らむのは必至だ。
開発経済評議会はガザ地区の技術者56人からの報告に基づき、先月27日の攻撃開始から今月10日までの15日間の被害総額を17億ドルと推計した。武器密輸トンネルへの空爆が集中するエジプト・ガザ地区境界のラファでは、家屋被害1億3500万ドル、社会資本3500万ドルなど総額で3億ドルに上る。
また、パレスチナ自治政府統計局によると、今月12日までの17日間にガザ地区全域で約4000軒の家屋が全壊したほか、約16000軒が部分崩壊。社会資本や家屋の被害が9億7600万ドルに上るほか、経済まひの影響を加えると被害総額は14億ドルになると推計される。
一方、イスラエル紙ハーレツ(15日付)によると、同国外務省は停戦後のガザ復興を見据え、特別対策班を設置した。06年夏の第2次レバノン戦争後にイランからレバノン南部に大量の資金が流入し、イランの影響力が強まったことへの反省が背景にある。パレスチナ自治政府やアラブ諸国などを復興の主体に据える仕組みを検討している。
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