記事登録
2009年01月15日(木) 00時00分

「あなたが殺した」 被告人質問で裁判官中国新聞

 交際していた女性に暴行を加え死なせたとして、傷害致死罪に問われた無職島一央しま・かずお被告(44)の初公判が十四日、神戸地裁(岡田信おかだ・まこと裁判長)であり、裁判官が被告に「あなたが殺したんでしょう」と質問。弁護士が「予断を持たせるような発言は慎んで」と批判する場面があった。

 この日の被告人質問で、左陪席の荒金慎哉あらがね・しんや裁判官は「『被害者が死んだ』と(被告人が)言っているが、あなたが殺したんでしょう」と発言。最終弁論の中で高島健たかしま・たけし弁護士が「これは殺人事件でなく傷害致死事件。裁判員制度の開始を控えており、予断を持たせるような発言は慎んでいただきたい」とくぎを刺した。

 高島弁護士は閉廷後「裁判員が聞いていたら、量刑が重くなる可能性もあると考え、思い切って指摘した」と話した。神戸地裁は「訴訟指揮にかかわることなのでコメントできない」としている。

 検察側は「常習的に暴力を振るってきた」と懲役十年を求刑。弁護側は寛大な刑を求め即日結審した。判決は二十二日。

 論告によると、島被告は昨年九月十日未明、無職森本正美もりもと・なおみさん=当時(31)=のマンションで、森本さんを殴るなどして死亡させた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901150116.html