南米出身者の大量失業が問題となっている広島県海田町で14日、県と町による外国人向けの相談会などがあった。スペイン語とポルトガル語の通訳が待機した会場には、自動車関連工場などで働いてきた同町や近郊のブラジル人やペルー人ら約400人が集まり、事態の深刻さが浮き彫りになった。
同町のひまわりプラザ。生活保護や県営住宅への入居、労働条件などに関する相談会には職を失った人たちが次々と姿を見せた。収入がない町内の5人が生活保護を申請した。
その一人で、昨年11月末に失業したペルー人男性(48)は「雇用保険に加入しておらず家賃も払えない状態だった。早く仕事を見つけ、母国の家族に仕送りしたい」とほっとした様子だった。
外国人の採用に前向きな造船会社、社会福祉法人とのミニ交流会もあり、約50人が参加した。「仕事には日本語が必要か」「住居はあるのか」などの質問が相次ぎ、長女(18)と同時にこの19日に失業するブラジル人男性(55)は「13年住み、永住権も取った日本で頑張りたい。すぐ面接を申し込む」と熱意を見せていた。
同じ会場では、ハローワーク広島東が雇用保険の「合同受理会」を開催。64人が受給手続きを済ませ、雇用促進住宅への入居や就職についての相談も相次いだ。
【写真説明】職を求めるブラジル、ペルー人たちが詰めかけた企業交流会(海田町)