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2009年01月15日(木) 00時00分

酒造り支える地下水がピンチ中国新聞

 東広島市を流れる黒瀬川流域の地下水の水質が市街地の一部で悪化し、水位も約30年間で平均約1メートル下がったことが広島大大学院総合科学研究科の開發(かいほつ)一郎教授(57)らの調査で分かった。地下水は特産の酒造りや生活を支える命脈。研究グループは行政による地下水の監視強化や保全策が必要と指摘している。

 小野寺真一准教授(44)は昨年8月、約50カ所で地下水の水質を調査。家庭排水などから生じる硝酸性窒素の濃度が、西条地区の3カ所で国の環境基準(1リットル当たり10ミリグラム)に迫る5.1一19.0ミリグラムと高い値を示した。

 調査結果は広島大の本年度の地域貢献研究の成果。このほど市内で開いたワークショップで市民や研究者らに説明した。開發教授は「地下水の水質悪化や水位の低下は酒造りや生活に影響を与え、地盤変動を招く恐れもある。国の『水の郷百選』に選ばれた市として保全策を検討する時期に来ている」としている。

【写真説明】東広島市の地下水の現状についてワークショップで説明する小野寺准教授

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200901150034.html