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2009年01月15日(木) 18時58分

関節リウマチ治療に朗報 メカニズム解明に手がかり産経新聞

 関節が炎症を起こして痛む関節リウマチの研究を進めている就実大学薬学部(岡山市)の中西徹教授ら研究チームは、細胞膜上に存在するタンパク質「テトラスパニン」の一種が発症の一因となっていることを突き止めた。このタンパク質は発症メカニズムの全容を解明する上で、重要な手がかりになるとみられる。

 関節リウマチの発症メカニズムについては最近の研究で、関節などを覆っている滑膜内のタンパク質「シノビオリン」(酵素)が過剰に働いて症状が悪化することが分かったが、なぜ併せて滑膜細胞が増大するのか、など因果関係はまだ解明されていない。

 中西教授ら研究チームは、特殊な分析装置(DNAチップ)で関節リウマチ患者と正常な人の滑膜を比較。その結果、患者の滑膜細胞にシノビリオンとは別に、細胞膜表面で絡みつくように存在している正常値の倍以上もあるタンパク質を発見した。

 これがテトラスパニンの一種で、データ分析により、シノビオリン増加を引き起こす原因物質の1つと特定された。そこで、このテトラスパニンの機能を低下させる物質を、関節に炎症のもつ実験ラットに注射したところ、腫れが解消し、同時にシノビオリンが大幅に減少したという。

 これについて中西教授らは、テトラスパニンとシノビオリンとの間で、何らかの情報伝達があって、互いに関係しあっていると結論づけた。

 現在、薬学界ではシノビオリンを抑える治療薬の開発が精力的に進められているが、中西教授らは「特定したテトラスパニンについても、その機能を抑制する抗体など新薬を開発し、関節リウマチの根本治療につなげたい」としている。

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