2009年01月14日(水) 18時08分
震災復興のシンボルから誕生した関西で人気のオペラが、東京・愛知へ進出(@ぴあ)
2005年の兵庫県立芸術文化センター開館以来、驚異的な観客動員を記録してきた「佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ」がさらにスケールアップ。東京・愛知への進出、6月25日(木)からの全15公演の開催が決定し、その記者会見が1月13日に行われた。
「佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ」記者会見の他の写真
阪神・淡路大震災の復興シンボルとして2005年に誕生した兵庫県立芸術文化センターは現在年間50万人の来場者を誇る関西随一のコンサートホール。なかでも目玉企画の「佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ」は2005年の『ヘンゼルとグレーテル』を皮切りに、2006年の『蝶々夫人』(8公演+再演7公演)、2007年の『魔笛』(8公演)、2009年の『メリー・ウィドウ』(12公演)と、昨年は年間2万人以上を動員するほどの人気ぶり。首都圏のオペラでも1作品の平均上演が4回程度なのに比べると、どれだけ凄いかが明らかだ。
芸術監督の佐渡裕は「ホールが開館して以来“劇場は街のみんなの広場”になるようにと、スタッフや街の皆さんの協力を得て、4年目を迎えています。特にホールの核にしたオペラ公演は、例えば2005年の『ヘンゼルとグレーテル』の時にお菓子の家のコンテストを開催するなど、街に根付いたお祭りのように楽しんでもらえていると思います」とこれまでの成功を振り返る。
そして2009年、満を持して東京・愛知進出。上演作品は、数あるオペラの中でも屈指の人気演目『カルメン』だ。
「僕の最初のオペラ体験は『カルメン』でした。確か小学6年生だったと思いますが、舞台の凄さや歌手の魅力にとても惹きつけられたのを鮮明に憶えています。また今回は東京に向けて初めてのオペラ発信ですが、世界的演出家のジャン=ルイ・マルティノーティさんや、カルメン役の林美智子さん、ドン・ホセ役の佐野成宏さんをはじめ心強い仲間が揃いました」と語る佐渡裕は、子どもの頃の感動そのままに意気込みも十分の様子。
さらに注目は、今回の『カルメン』が日本オペラ連盟、兵庫県立芸術文化センター、東京二期会、愛知県文化振興事業団の4団体共同制作ということで、これは従来の日本国内のオペラ上演では非常に珍しい。地域密着で成功した兵庫のオペラをベースに、それぞれのノウハウを結集させる舞台は、現在、そして今後の日本のオペラを見据える上で大きなチャレンジとなるに違いない。
佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ 2009 ビゼー:「カルメン」
【兵庫公演】兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール
6月25日(木)、26日(金)、27日(土)、28日(日)、30日(火)、7月1日(水)、3日(金)、4日(木)、5日(日)
【東京公演】東京文化会館 大ホール
7月17日(金)、18日(土)、19日(日)、20日(月・祝)
【愛知公演】愛知県芸術劇場 大ホール
7月25日(土)、26日(日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090114-00000005-pia-ent