麻生太郎首相は14日、衆院本会議で2008年度第二次補正予算案などの採決を棄権した松浪健太内閣府政務官(自民党)を罷免した。持ち回り閣議で決定した。首相は後任に自民党の岡本芳郎前総務政務官を充てた。
松浪氏は13日の衆院本会議を途中退席し棄権した後、辞表を提出していた。首相が自発的な辞任を認めずに罷免したのは、二次補正の関連法案や09年度予算案などを衆院再議決する際の造反を防ぐため、政府、与党内を引き締める狙いがありそうだ。
首相は14日昼、官邸で記者団に「政務官は政府の一員であり、決まった以上は従ってもらう。だから罷免になる」と強調した。
閣僚らの罷免は05年、小泉純一郎首相(当時)の「郵政解散」に反対した島村宜伸農相と、参院本会議で郵政民営化関連法案に反対票を投じた柏村武昭防衛政務官が罷免されて以来。
河村建夫官房長官は記者会見で「内閣の一員として、内閣の大方針に反対する行動を取ったことは罷免に値する」と指摘した。
これに関連し、自民党の細田博之幹事長は14日午前、松浪氏と党本部で会い、造反に関し「残念だ。追って処分する」と伝達した。松浪氏は造反理由に関し、二次補正に盛り込まれた定額給付金に賛成できなかったと説明。記者団に「麻生政権にあだをなすつもりはない」と述べた。
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