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2009年01月14日(水) 11時31分

東芝が富士通HDD事業の買収検討スポーツ報知

 東芝が、パソコンなどの記憶装置として使われる富士通のハードディスク駆動装置(HDD)事業の買収を検討していることが14日、分かった。買収総額は数百億円規模になるとみられる。

 世界的な景気の落ち込みで、国内の電機大手は急速に業績が悪化し、事業の選別を迫られており、今後、業界再編の動きが活発化しそうだ。

 買収が成立すれば、東芝はノートパソコンやゲーム機器などに搭載される小型HDDの分野でシェアが30%を超え首位に躍り出る見込み。一段のシェアの拡大で競争力を強化、成長が期待できるHDD事業の収益拡大を目指す。

 HDD事業は日米韓の大手メーカー6社が激しく競っており、パソコンなどで保存するデータ量の増加に対応する形で、記録容量を大型化した製品の投入が相次いでいる。一方で競争により価格下落も進み、体力勝負の様相を呈している。富士通は赤字になっているHDD事業売却で、収益改善を急ぐ考え。

 東芝は、HDDの生産を手掛ける富士通のフィリピンとタイ工場を買収する方向。富士通は、HDD事業の部品生産の一部については昭和電工に売却を打診している。

 富士通のHDD事業の売却先として一時、世界2位の米ウエスタンデジタルが浮上したが、条件面で折り合わなかったとみられる。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090114-OHT1T00138.htm