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2009年01月14日(水) 21時26分

「鑑定医の無罪に協力」 草薙さん、証言後に会見中国新聞

 奈良県の医師宅放火殺人の調書漏えい事件で、調書を引用した「僕はパパを殺すことに決めた」の著者でフリージャーナリスト草薙厚子くさなぎ・あつこさん(44)は十四日、奈良地裁での証言後、奈良市内で記者会見。一転して取材源を医師の長男(18)を鑑定した京都市の精神科医崎浜盛三さきはま・もりみつ被告(51)=秘密漏示罪=だと明かしたことについて「調書を見せたのは正当な行為だという弁護側の無罪主張に協力するためだった」と説明した。

 草薙さんはさらに「わたしは逮捕、起訴されても構わない。崎浜被告を自由にしたいとずっと考えていた」と主張。事件で情報提供者が萎縮いしゅくする恐れについては「取材しにくくなる可能性はあるが、全員が萎縮するとは思わない」と話した。

 父親の医師が昨年十二月、法廷で著書を「暴露本」と批判したことは「著書が長男の更生を妨げることはない。読めば自分の立場を客観的に認識できる」と反論。「著書で情報源が特定されたとは思っていない」との認識を示した。

 草薙さんは同日午後、地裁で引き続きあった公判で「初めは広汎性発達障害についての本を書くつもりだった」と証言。出版元の講談社と話し合い、一般の人に読んでもらおうと引用スタイルに変更したと話した。

 弁護側の尋問に、調書をカメラで接写したことは「メモを取るのと同じだと考えた」とし、コピーを禁じる約束もなかったと証言した。

 秘密漏示罪は、正当な理由があれば違法性が阻却される。崎浜被告側は「長男に殺意がないことを伝える正当な目的があった」と無罪を主張している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901140337.html