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2009年01月14日(水) 21時26分

雇用推進へ自治体連携 知事会が緊急対策本部中国新聞

 全国知事会は十四日、世界的な金融危機の影響などによる急速な雇用情勢の悪化に対応するため、都内で緊急雇用対策本部(本部長・松沢成文まつざわ・しげふみ神奈川県知事)の初会合を開き、自治体間の連携強化や、非正規労働者の処遇改善に向けた法的整備など国と財界への要望事項について協議した。

 初会合には各都道府県の知事や担当者が出席。あいさつした麻生渡あそう・わたる知事会長(福岡県知事)は「雇用の問題は極めて重要。これが揺らいでは都道府県民は生活できない。政策を持ち寄って、より効果的な対策に取り組む必要がある」と訴えた。

 雇用対策の推進に向けた議論では(1)都道府県間の情報共有や、効果的な情報提供のためのハローワーク、民間企業との連携強化(2)福祉・介護や農林業など人材不足の分野への効果的な就職あっせん(3)臨時職員の採用や公営住宅提供といった緊急対策での相互乗り入れ—などの取り組み指針を了承した。

 国の雇用対策の速やかな実現に向けては、日雇い派遣労働者など非正規雇用労働者の処遇を改善するための法的整備の検討のほか、雇用保険の適用拡大、求人と求職のミスマッチ解消を要求。財政面では、関連事業を盛り込んだ二〇〇八年度第二次補正予算案と〇九年度予算案の早期成立や、関連交付金について地方の裁量を認める制度設計と配分要件の早期明示を求める。

 日本経団連など財界への要望には、新規学校卒業予定者の内定取り消し回避と雇用調整への慎重な対応を盛り込んだ。

 出席した知事からは「定額給付金の問題が議論されているが、われわれが一番求めているのは、与野党の党利党略ではなく(雇用対策のための)関連予算、法案の速やかな成立だ」(飯泉嘉門徳島県知事)などと、国政に対する批判の声も出た。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901140307.html