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2009年01月14日(水) 21時26分

接見拒否、二審も国敗訴 広島女児殺害事件中国新聞

 広島市の小学一年木下きのしたあいりちゃん=当時(7)=殺害事件のペルー人、ホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告(36)=上告中=と弁護人の起訴前の接見拒否をめぐる損害賠償請求訴訟の控訴審判決で、広島高裁は十四日、国に二十二万円(請求額二百二十万円)の賠償を命じた一審広島地裁判決を支持、双方の控訴を棄却した。

 礒尾正いそお・ただし裁判長は、ほかの日時や場所を指定せず即時の接見を拒否した広島地検の対応を違法とした一審判断を踏襲。「被疑者との円滑な接見交通が害され、精神的損害が発生した」と指摘した。

 判決によると、逮捕後、一審判決まで弁護人だった久保豊年くぼ・ほうねん弁護士は二〇〇五年十二月十四日、逮捕拘置中のトレス被告との地検庁舎内での接見を電話で申し出たが、検察官は取り調べ中であることなどを理由に拒んだ。

 殺人や強制わいせつ致死などの罪で死刑を求刑されたトレス被告に、広島地裁は無期懲役を言い渡したが、広島高裁は昨年十二月「審理が尽くされていない」などと審理を差し戻し、被告側が上告している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901140312.html