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2009年01月14日(水) 16時27分

【神隠し公判2日目(5)】包丁抜いて5分、弱まる呼吸…血を拭いたタオルは浴室で洗う産経新聞

 ■14:30〜14:45

 《無理やり、連れてきた東城瑠理香さんを警察に捕まる可能性のある『邪魔な証拠』として、ためらうことなく一気に刺した星島貴徳被告。思わず耳を覆いたくなるような絶命までの場面の追及が続く》

 《星島被告は暴れ出したり、叫び声を上げるのを防ぐために首に包丁が刺さったままの東城さんの口をふさぎ、腕や腹を体で押さえつけていた。室内の電気は消したまま。星島被告の目には、苦しみに耐える東城さんがどのように映っていたのか》

 検察官「(東城さんの)腹やのど元はどのように動いていましたか」

 星島被告「まだ息をしていました」

 検察官「どのように?」

 星島被告「上下にゆっくりと呼吸するように胸を動かしていました」

 検察官「そのような状況が、どのくらい続きましたか」

 星島被告「5分ほど続いたと思います」

 《見知らぬ男に連れ去られた恐怖の中、いきなり包丁で刺された東城さんは刺されてから5分も苦痛に必死に耐えていた。その一方で、星島被告は何を考えていたのか》

 検察官「(刺してから)5分ほど(東城さんが)息をしているのを見て、あなたはどう考えましたか」

 星島被告「早く死なない焦りを感じていました。そして包丁が刺したままのことに気づき、包丁を抜けば早く血が流れて、早く死ぬと思いました」

 検察官「そして、どうしましたか?」

 星島被告「右手は口をふさいだままで、(東城さんの)体を起こさせて、左手で首の包丁を引き抜きました」

 検察官「引き抜くときに東城さんは、どういう反応でしたか」

 星島被告「少し体を震わせて、あごや首元がピクリとけいれんした後、動かなくなりました」

 《星島被告はまっすぐ前を向いているものの、耳を赤らめ、当時の場面を思いだしたくないのか、ゆっくりとためらうように検察官の質問に答えていく》

 検察官「包丁を抜いた後の血はどんな感じでしたか?」

 星島被告「血の流れる量が増えました」

 検察官「どれくらいの血の量でしたか」

 星島被告「7、8ミリから1センチくらいの幅だったと思います」

 《包丁を抜いた後、星島被告は東城さんを寝かせたエアマットの脇にその包丁を置いた。そして再び、東城さんが暴れるなどしないように元の体制で押さえつけに入ったという》

 検察官「(東城さんの)胸の鼓動はどうなりましたか」

 星島被告「だんだんと弱くなっていきました」

 検察官「その後、東城さんはどうなりましたか」

 星島被告「…。呼吸がとまり、胸の動きもなくなりました」

 検察官「包丁を抜いてからどれくらいの時間で胸の動きがなくなりましたか」

 星島被告「5分くらいだと思います」

 検察官「その間、あなたは何を考えていましたか」

 星島被告「『早く死んでください』『早く死んでくれ』と、それだけ考えていました」

 検察官「『早く死んでくれなければ、警察に捕まってしまう』と考えていたのですね」

 星島被告「はい」

 《星島被告は、東城さんの死亡を確認するために、すぐに手の脈をとるなどしたという》

 検察官「脈はありましたか」

 星島被告「ありませんでした」

 検察官「次にどこを確認しましたか?」

 星島被告「心臓のあたりを服の上から触り、鼓動がないことを確認し、次に口に入れていたタオルを取り出すと、口が開いたままで動かなくなっていたので死んだと思いました」

 検察官「あなたが東城さんを殺害したのは4月18日の何時ごろですか」

 星島被告「午後11時すぎだと思います」

 《星島被告は東城さんの死亡を確認した段階でようやく室内の明かりをつけたという》

 星島被告「…。(電気を)つける前とそんなに変わっていません。…。(首の血の跡も)たくさん血が流れていることは分かりましたが、色までは覚えていません」

 《何の感情もなさそうに答える星島被告に、検察官も思わず顔がゆがめ、追及の手を厳しくする》

 検察官「真っ赤かどうか分からないと?」

 星島被告「はい」

 検察官「あなたは、それから(東城さんを殺害した後)どうしましたか」

 星島被告「瑠理香さんをバラバラにするため、浴室に運ぼうと、持ち上げました」

 検察官「その前に何かしませんでしか。死体の下の血を処理したのではありませんか?」

 星島被告「そうかもしれません。そうしたと思います」

 検察官「死体の下の血をどのように処理したのですか」

 星島被告「クローゼットからバスタオルを2枚持ってきて、血を吸わせました」

 《バスタオルはすぐに血で染まったという。星島被告は浴室でそのバスタオルを洗い流した。血の跡はきれいに消えたという》

 《東城さんが生きていた痕跡を、ひとつずつ着実に消し始めた星島被告。あまりにも理不尽な証言に傍聴席の遺族は、おえつを漏らし続けた。20分の休憩を挟んで検察側は、遺体の処分の追及に入る》

    =(6)に続く

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