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2009年01月13日(火) 13時01分

阪神大震災14年:地域×地域、結ぶ支援を 関学で災害フォーラム /兵庫毎日新聞

 ◇被災者にとっての復興とは
 12日、西宮市上ケ原一番町の関西学院でフォーラム「どう果たすか国際支援」が開かれた。会場では、姜尚中・東京大学大学院教授が講演したほか、中国の四川大地震やインド洋大津波で支援活動に携わった人たちが支援のあり方を議論した。
 震災の教訓から、災害復興にかかわる研究を目的に設立された関西学院大学災害復興制度研究所が主催。近年、世界各地で大規模な災害が頻発していることをうけ、今回は「国際支援」をテーマとした。
 姜教授は「自然災害では、経済基盤の弱さやジェンダーなどその地域に内在される問題が顕在化する。災害への対処だけでなく複合的な問題に対処することが必要になる」と指摘。ミャンマーのサイクロン被害など、国同士の支援が困難だった例を挙げ「国同士でなく、地域と地域を結ぶ支援が重要だ」と話した。
 また、シンポジウムでは、中国の四川大地震の支援にあたっている「CODE海外災害援助市民センター」スタッフ、吉椿雅道さんや国連地域開発センター防災計画兵庫事務所研究員の斉藤容子さんら国際支援に携わるNGOスタッフや研究者ら4人が討論。吉椿さんは、四川大地震の被災地で毎日同じ村に行って被災者から話を聞き続けていることを紹介。「被災者にとって何が復興なのか学び続けている」と話した。また、斉藤さんはイランのバム地震などイスラム社会での支援活動で女性の立場などの文化の差に直面したことを紹介。「『文化』として受け止めるだけでなく『本当にいいのか』とその社会に問いかけることも大切だ」と話した。【幸長由子】
〔阪神版〕

1月13日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090113-00000157-mailo-l28