千葉県船橋市教育委員会は13日、同市飯山満町の縄文遺跡「取掛西貝塚」から約一万年前のものとみられるイノシシとシカ計12頭分の頭の骨などが出土したと発表した。
獣骨の年代を測定した国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)の西本豊弘教授(動物考古学)は「当時の人々が竪穴住居で祭祀(さいし)など何らかの儀礼を行うため意図的に貝塚に集めたと推定される。このような目的で使用された獣骨としては国内で最も古いもので、貴重な発見だ」と話している。
市教委と西本教授によると、獣骨は同貝塚内にあるおわん型のくぼ地(直径約8メートル、深さ約1メートル)の中に、並べて埋められていた。この場所は竪穴住居跡で、住居がなくなった後、貝殻の捨て場所になったとみられる。獣骨の上に堆積(たいせき)した地層の最下部にあったヤマトシジミなどを手掛かりに、獣骨のおおよその年代を特定した。
祭祀などに使われたとみられる大量の獣骨はこれまで、北海道や山梨、静岡などで発掘されている。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090113-OHT1T00265.htm