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2009年01月13日(火) 20時22分

渡辺氏、離党届提出…2次補正採決で退席スポーツ報知

2008年度第2次補正予算案の衆院本会議採決に抗議し、一礼して退席する渡辺元行革担当相

 渡辺喜美元行政改革担当相(56)は13日、自民党を離党した。同日午後、自民党に提出した離党届が受理された。渡辺氏は記者会見し、離党理由について「麻生自民党で国民から断絶した政治が行われていることが最大の理由だ」と説明した。渡辺氏に同調する動きはないが、閣僚経験者の離党は麻生政権にとってイメージダウンは避けられず、政権運営への打撃となりそうだ。

 会見で渡辺氏は今後の政治活動に関し「志を同じくする人々には、党派を超えて協力を求めたい」と強調。官僚主導打破と地域主権を掲げ、与野党にこだわらず幅広い政治勢力の結集を呼び掛ける考えを示した。地方首長らと近く「危機突破国民会議」を立ち上げる意向だ。

 ただ現時点で、地方首長らの協力も明確ではなく、渡辺氏の「国民運動」がどこまで広がるか見通しは立っていない。

 新党構想については「新党結成ありきではない。国会議員に声掛けして集めることは考えていない」としながらも、「衆院選のときにどうなっているかは今の時点では何とも言えない」とも述べた。

 自民党は離党届提出を受け、鈴木俊一、南野知恵子正副党紀委員長が一任を受けた上で協議し受理を決定。鈴木氏は会見で、より厳しい除名処分にしなかった理由について「これまでの除名はほとんど選挙絡み。過去の判断基準から除名にはいたらないと判断した」と説明した。

 渡辺氏は、麻生太郎首相の公務員制度改革への取り組みを批判。官僚OBが再就職を繰り返す「渡り」あっせんの全面禁止などを求める公開質問状を首相に提出しようとしたが、首相側は受け取りを拒否。12日の地元後援会会合で離党の意向を表明していた。

 13日夜の衆院本会議で、第2次補正予算案採決前に渡辺氏は退席した。

 渡辺氏は衆院栃木3区選出で、当選4回。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090113-OHT1T00166.htm