青森県・下北半島に生息する国の天然記念物「北限のニホンザル」が近く大量に駆除されるのを前に、上野動物園(東京都台東区)の担当者が13日、青森県むつ市を訪れ、捕獲したサルの一部を引き取る意向を宮下順一郎市長に伝えた。むつ市側は歓迎しており、今後譲渡する数や時期を詰めた上で、同園が文化庁に許可を申請する。
数が増えすぎて農作物への被害が出ていることなどを理由に、1970年の天然記念物指定後初めて大量に捕獲され殺処分されるはずだったサルの一部は東京の動物園で「第二の人生」を歩むことになりそうだ。
上野動物園は、北限のニホンザルが学術的にも貴重として、来春にもサル山の改修が完了するのを受け、現在の個体群と入れ替える予定という。
下北半島のサルは、霊長類では世界最北の野生生息例とされるが、文化庁は昨年末、約1600匹のうち270匹の捕獲を求めたむつ市など地元4市町村の申請を許可。今月にも捕獲が始まる見通しだ。
上野動物園の伊東員義飼育展示課長は「下北のサルの問題を都民とともに考えていければ」と話している。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090113-OHT1T00263.htm