岐阜県中津川市の民家で2005年、母親や生後間もない孫ら家族5人を殺害したとして、殺人罪などに問われた元市職員、原平被告(61)に、岐阜地裁(田辺三保子裁判長)は13日、無期懲役(求刑死刑)の判決を言い渡した。
田辺裁判長は「妻に嫌がらせをする母に何も言えない自分に対し、被告が自己嫌悪になり、母がいなくなればと思った」などと犯行の動機について述べた。
これまでの公判では被告の責任能力の有無が争点となり、弁護側と検察側が異なる精神鑑定結果を提出した。弁護側は「母から嫌がらせを受けているという被害妄想を抱き、心神耗弱状態だった」と責任能力は限定的と主張。検察側は「妻をなじる母を殺害、残された家族が不幸になると考え、犯行に及んだ。正常心理で説明可能」と完全な責任能力があるとしていた。
判決によると、原被告は05年2月27日、自宅で寝ていた母チヨコさん=当時(85)=と長男正さん=同(33)=の首を絞めて殺害。その後、長女藤井こずえさん=同(30)、こずえさんの長男孝平ちゃん=同(2)、生後3週間の長女彩菜ちゃんの3人を自宅に呼んで首を絞めて殺した。こずえさんの夫孝之さん(43)も包丁で刺してけがをさせた。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090113-OHT1T00165.htm