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2009年01月13日(火) 14時22分

【神隠し殺人初公判 弁護側冒陳】「殺害決めたのは、警察官の訪問後」計画性ないことを強調産経新聞

 星島貴徳被告の弁護人が法廷で読み上げた冒頭陳述の要旨は以下の通り。

■神隠し殺人初公判■(6)「帰宅したら包丁がなくなっていた」姉が“異変”証言

 ■認否

 起訴事実は争いません。

 ■情状

 弁護人としては、以下の事実を、情状で強調します。

 星島貴徳被告は、当初、東城瑠理香さんをわいせつ目的で略取誘拐、監禁しましたが、全く計画性はありませんでした。特段、計画を立てたわけでもなく、失敗したときのことも考えず、発覚して警察に逮捕されることも考えていませんでした。被告は、実際にはわいせつ行為をしていません。

 当初、凶器で脅迫することなども考えていませんでした。たまたま瑠理香さん宅の台所にあった包丁1本を見て手にし、その後脅迫にいたったのです。

 被告は当初、暴行を加えることも考えていませんでした。結果的に、暴行してしまいましたが、瑠理香さんが負傷したことを認識しすると、狼狽しています。

 殴った後、瑠理香さんが負傷したのに驚き、水に濡らしたハンカチを瑠理香さんの傷口に当てました。治療の意思を示したものです。

 被告は当初は瑠理香さんを縛ることを考えていませんでした。たまたま瑠理香さん宅で白いタオルを見つけ、これで手を縛ったのです。目隠しも用意したのではなく、瑠理香さん宅にあったズボンを利用しました。

 被告は当初、殺害や、瑠理香さんの遺体損壊などを考えていませんでした。殺害などの犯意が生じたのは、瑠理香さんを拉致監禁した後、警察官に玄関ドアをノックされ、事件を察知された後です。

 被告が殺害に使った包丁は、事前に用意したものではなく、瑠理香さん宅の台所から持ち出した物です。

 瑠理香さんの頚部(首)を一刺しして殺害しています。死体損壊に利用した包丁やノコギリは、事前に用意した物ではなく、自宅にあった物を利用したものです。被告は罪悪感に襲われながら、死体損壊しています。

 ■自白の経緯など

 被告には前科前歴はありません。幼いときに足に負った大やけどを、常に負い目にして生きてきました。職場では有能な職員として評価され、後輩のことを考えてやることのできる、気遣いのある人間です。

 捜査担当刑事の言葉に反応し、瑠理香さんの家族の絆(きずな)を思うようになった結果、自白しました。逮捕直後の捜査段階から一貫して犯行を認め、供述しています。

 深く反省し、拘置所内では毎日、瑠理香さんの冥福を祈りながら、般若心経の写経をしています。犯行後から、罪悪感に襲われていました。マンション内で遭遇してしまった瑠理香さんの姉や父親に対しても、心の中では謝罪していました。

 被告は、捜査段階から死をもって(罪を)償うことを意識していました。勾留中には自殺を試みており、法廷でも事実を認め、遺族に謝罪するためにのみ生きています。

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