2009年01月13日(火) 14時43分
深まる白リン弾疑惑=民間人被害多数の指摘も−イスラエル(時事通信)
イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの攻撃で、非人道兵器とされる「白リン弾」を使用しているとの疑惑が浮上している。白リン弾によるとみられる民間人負傷者が報告されているほか、白煙の目撃情報もあり、人権団体はイスラエルに対する批判を強めている。
白リン弾は、煙幕を張ったり、敵兵を潜伏場所からいぶり出したりするのに用いられる。消火困難で、触れると重度のやけどを負うため、使用方法によっては「民間人を焼夷(しょうい)兵器の攻撃目標」とすることを禁じた特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)第3議定書に違反するとの見方もある。
ガザ市の医師は10日、「55人が白リン弾によってのみ引き起こされるやけどを負った」と主張。医療関係者は英紙タイムズに対し、「通常のやけどとは異なる。重度でわれわれの手には負えそうもない」と述べた。イスラエル軍スポークスマンは、負傷者が出たと医師が訴える地域では「そもそも軍事作戦を実行していない」と全面否定している。
一方、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは声明で、9日と10日にガザ市近郊などで多数の白リン弾が空中でさく裂した様子が確認されたと指摘。市民に危険が及び、国際人道法に違反しているとして、イスラエル軍に人口密集地での使用をやめるよう求めた。
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〔用語解説〕「ガザ地区」
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