2009年01月13日(火) 17時48分
【渡辺氏の離党会見】(上)「麻生自民党は国民から断絶している」(産経新聞)
渡辺喜美元行政改革担当相が13日、国会内で行った自民党離党会見は以下の通り。
■写真で見る■ 渡辺喜美元行政改革担当相が会見に持参した離党届
「本日、自民党離党届を出して参りました。文面は『政治家としての義命より自由民主党を離党する。12年にわたり政治活動の場を提供してくれた自由民主党に心から感謝する』。以上が離党届けだ。同時に離党についての声明文もお届けした。
自由民主党は立党の基本精神において、「政治は国民のもの」というものが根底にあったはずだ。残念ながら、麻生自民党において、まさに国民から断絶した政治が行われてしまっている。この点が離党決断にいたる最大の理由であります。
−−新党は? 自民党からの参加者はいるか
「新党結成ありきということは考えておりません。今後、全国各地の志の高い人々、この国を変えるべきという人と国民運動を起こしていきたいと考えております。『国民会議』を立ち上げてまいりたいと考えております。その精神は先ほど申し上げたように、次の未来、すなわち官僚主導から政治主導へ、中央主権から地域主権へと、こういうことを先取りした危機対応を行っていく危機突破国民会議を立ち上げていきたいと思っております」
−−橋下大阪知事が「渡辺氏と協議したが、連携を断った」と明らかにしたが本当か
「いろいろな方と話をしておりますので、私が誰にあった、どういう話をしたかは今の段階では申し上げません」
−−15年前、父の故・渡辺美智雄元副総裁は離党を踏みとどまった。感慨はどうか
「私の父が自民党を離れて、渡辺内閣を作ろうと考えていたときは2つの重しになるものがありました。一つは大病を煩っていたこと。もう一つは派閥の領袖だったことであります。もし、自民党を離党して、仲間を引き連れ、渡辺内閣が出来なかったらどうするかと。まさに、派閥メンバーが大変な目に遭うと考えれば、自分は自民党にとどまるべきだという現実的判断だったと思う。その後、渡辺派は1人欠け、2人欠け、派閥領袖としてはボロボロになっていったと思うが、まさに自分はやせても枯れても派閥の領袖であるという矜持を失わなかった」
「私はその姿をみて、自民党の政治モデルは完全に時代遅れになったなと言うことを痛感いたしました。父が私にかねて言っていたこと。それは「派閥の前に党がある。党の前に国家国民がある」ということであって、こういう原点に立ち返って、政治が国民との断絶を起こしてしまっている今、まさにこの原点をもう一度思い起こすことが大事だと私は今、考えたわけであります」
−−父の墓前では何といったのか
「『自分の信念に従って行動させていただきます』といって報告しました」
−−今後の展望は
「とにかく今、残念ながら、国民と永田町、麻生政権が大変な断絶をおこしてしまっています。政治というのはもともと国民のものであります。この政治を国民に取り戻す、この運動を私は起こしていきたい。これは、当然のことながら大勢の皆さんに訴えかけるわけであります。では、そのコアメンバーは大勢いるかというと、そう、たくさんはいらないと思うんですね。直接、地方の政治に携わっておられる人たち、あるいはオピニオンリーダーといわれる人たち。そういう人たちを募ってこの運動を起こしていきたいと考えております。
「政党を作るべきだというお立場からは、何人国会議員を集めたかという発想になるのかもしれませんけどれも、我々はやはり国民運動、つまり政治を国民の手に取り戻す、という観点からの運動でありますから、ま、国会議員が何人いるかということは問題ないと考えております」
−−国民会議の立ち上げ時期など具体的なスケジュールは
「スケジュールは決まっておりませんけれども、早めに行動を開始したいと思っております」
−−地方の政治に携わった人とは。知事か、議員か。どういう人に声かけしたいのか
「志の高い方々です。この国を変えなければいけない、官僚主導から政治主導へ、中央集権から地域主権に変えるべきだという、そういう共通の思いを持った人にお声がけをして参ります」
−−知事か、議員か?
「そうですね、知事とか市長とか議員とか、どっから何人とかそういうことは一切、考えておりません。少数精鋭でいきたいと思っています」
−−野党との連携の可能性は
「わたくしは、こういう運動を起こすにあたり、自民党とか、民主党とかそういったことは区別いたしておりません。自民党の中でも同じ人はいるでしょう、民主党のなかにもいるでしょう。国会議員ありきの運動ではありませんので。国会議員にこちらの方からお声かけということは今のところ考えておりません。まあ、あの運動の展開次第でそういうことがありうるのか、ありえないのかということが分かれてくるのだろうと思っています」
−−既存の政党に属した人が既存の政党に属したままの参加は想定しているか
「『せんたく議連』というのは、既存の党に属している人が大量に参加して、今、残念なことに開店休業状態になってしまっている。ということを考えると、国会議員の頭数だけ揃えるということは考えておりません」
−−今日の衆院本会議では(平成20年度第2次補正予算案に)反対するか
「今日の本会議は財政金融委員会などで質疑を行っていますので、わたくしはかねて申し上げているように、こういうねじれ状態の中で非常事態が起こってしまったわけでありますから、国会は前向きに建設的な妥協を行うべきであると言うことを申し上げてきましたので、そういうことが行われるのかどうか、最後まで見守りたいと思っております」
−−麻生首相を降ろし、新しい総理を作り改革をするように訴えるやり方もある。なぜしないのか?
「そうですね、やはり、自民党が前の総選挙後、3人目の総理を出したわけであります。麻生総理には早期の衆院解散の役回りを期待され、我々も細田(博之)幹事長に従って、選挙事務所を開きその準備に入ったわけでありますが、まさにそれが先送りされた。そういたしますと4人目の総裁を作るということが、果たして許されるのか。これはいくらなんでも常識的に無理ですよ。とするならば、わたしは麻生総理に首相指名で一票入れた人間でありますので、まさしく政治責任を取るという意味においても離党の決断をさせていただきました」
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090113-00000579-san-pol