2009年01月13日(火) 15時34分
会社設立してから始める Web 対策の手順2(japan.internet.com)
前回のコラム「会社設立してから始める Web 対策の手順」では、会社を設立して始める Web サイトを制作する際のポイントについて述べた。今回は、その Web サイトをどのようにプロモーションするかについて考えたい。
前回、サイト制作時に「訪問者の理想的な動線はなにか」を考えるべきといったが、Web サイトへ訪問者を増やす施策(=集客)も基本は同じだ。
ターゲット層を想定して Web サイトを作ったのに、違うターゲットで集客したら意味がない。だが、実はしばしば見受けられることなのだ。例えば SEM 施策を行う際、登録したいキーワードが Web サイトに関連するコンテンツが無いため掲載できないということがよくある。サイト制作担当が考えたターゲットユーザーと、集客する担当者が考えるターゲットユーザーとが違っていたのが原因のひとつと考えられる。
大企業の場合、Web サイトを制作する部署と、集客をする部署が別で、それぞれが別の角度からターゲットを考えて施策をしてしまうことがよくある。その点、設立直後の会社では、良くも悪くも同じ人が両方考えないといけない事が多いので良いかもしれない。サイト制作とサイトへの集客。ターゲットユーザーは一貫して考えるようにしたい。
■サイトプロモーションの最初は SEM とアフェリエイト
折角、Web サイトを立ち上げてもそれだけではあまり集客を期待できない。無数の Web サイト(=競合)があり、それぞれ集客施策を行い、しのぎを削っている。サイト集客の手法は多数あり複雑なので、Web ビジネスを行っていない場合、集客に関しては予算をかけにくいので費用対効果が高く、敷居が低いサービスがよいと考えるだろう。業種に特化したポータルサイトへの広告出稿を第一に考えることもあるだろうが、検索エンジン対策(SEM)は、どの業種にも適した施策だろう。
Web サイトへの訪問ルートとして一番多いのが検索エンジン経由であり、ターゲット層を想定しキーワードを選択して対策できるので効率的に集客できる。特にリスティング広告は、最初のプロモーション方法として最適だといえる。同じ検索エンジン対策として SEO も費用対効果は高い。SEM は非常に奥深いため、その施策方法や考え方は、いままでのコラムでも述べてきたし、別の機会にしたい。
次に考えたいのはアフェリエイトだ。プロモーション費用を成果報酬にできるのが魅力だ。特に個人を顧客にしているサービスを提供している場合、アフェリエイトは考えておきたい。成果にかかる対価(CPA)は、自分で決めることができるが、予算が少なすぎると成果数(CV数)を稼ぐことができなくなることがあるので注意が必要だ。これ以外の施策もたくさんあり効果があるものもあるだろうが、SEM とアフェリエイトを最初に検討することを薦めたい。
■自社サービスの告知方法を工夫する
広告と別の視点から、Web サイトのプロモーションを考えてみよう。会社を設立して自社のサービスや商品ができると自社サイトの「新着情報」等の欄に掲載するのは一般的であり、当然行うべきだ。
しかし、自社の Web サイトの中だけで告知するのでは十分とはいえない。既にユーザーが訪問すれば関連する情報が得られると認知されている Web サイトなら Web サイトのみの告知で十分だが、多くの場合そうではない。
Web サイトをリアルの店舗と考えれば、Web サイト内の告知は来店者のみに告知しているに過ぎない。店舗に向かわせる動機にするためには別の施策が必要だ。
インターネット上には、プレスリリースを掲載しているポータルサイトや、各媒体にプレスリリースを一斉配信してくれるサービスがたくさんある。これらに掲載されるリリース情報は、紙媒体と違い、リンクをたどって自社サイトへ1クリックでたどれる場合が多い。関心を示してくれたユーザーがすぐに Web サイトに訪問してくれる動線を獲得する事ができる。
サービス・商品の問い合わせをする動機として、大きな要素になってきているのが、ユーザー自身の意見だ。mixi、はてな、kakaku.comなどに書きこまれたレビューやコメント、ブックマークなど、また個人の Blog の内容がユーザー行動の動機に強く作用している。リリースがそのきっかけになることもよくあることだ。
インパクトのあるプレスリリースなら引用され別の Web サイトに掲載されることもある。それだけユーザーの反響を受ける機会も増える。
そこまで考えて対策するのは高度であるが、少なくとも自社サイト以外に告知をする行為を行わないと知ってもらえる機会が減る。ユーザーがどのような意識をもってそのリリースをとらえ、行動するかを考えるだけでも価値がある。
■Web サイトは、会社の鏡
以上が簡単であるが設立後、最初のサイトプロモーションで抑えておくポイントだ。Web サイトは対面で相手が見えるものではないので、対策を後回しにしがちであるが、Web サイトでその会社のイメージが判断され、Web サイトへの動線により会社やサービスの認知される度合いが大きく変わる。Web サイトは、会社の広報でもあり営業マンでもある。会社の Web サイトは会社そのもの、軽視すべきではない。今後、会社を設立する方、設立されたばかりの方の参考になれば幸いである。
(執筆:株式会社ファンサイド 代表取締役社長 植山 章博)
記事提供:ファンサイド
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