応援席からの叫び、願い、まなざしが、一つになってイレブンを支えた。皆実が全国高校サッカー選手権を制した12日、東京・国立競技場で生徒や保護者、卒業生、教職員たちは声を張り上げてともに戦い、歓喜に酔った。
フィールドの選手が勝利の拳を突き上げた瞬間、応援団の喜びは爆発した。「選手は皆実の、広島の誇り」。3年有木美穂さんは声を弾ませた。「全国制覇」の文字を顔にペイントした生徒たち。初戦から全試合通った3年井村千紗さんは「みんなを信じてました」と目を潤ませる。
保護者も声を振り絞った。金島悠太選手が決勝点を決めると、父聡吏さん(42)は2点目のゴールを決めた谷本泰基選手の父光章さん(50)らと握手で喜び合った。主将の松岡祐介選手の父公彦さん(44)は「信じられない。控え選手も含めた総合力を見せつけてくれた」と喜んだ。
【写真説明】前半33分、2—1と勝ち越すMF谷本選手のゴールが決まり、歓声に沸く皆実の応援席(撮影・坂田一浩)