全国高校サッカー選手権決勝戦で、国立競技場に日本一を告げるホイッスルが鳴り響いた瞬間、広島市南区の皆実高会議室は歓喜の絶叫と雄たけびが渦巻いた。
生徒、教職員、保護者ら約220人が大型スクリーンで観戦。最前列にはセンター試験を控えた3年生が、参考書と一緒に、チームカラーの緑色のタオルを握りしめた。
追い付き、突き放しては並ばれる大熱戦。最後は金島悠太選手(18)のゴールで勝ち越し、逃げ切ると、クラスメートの久保河内つづみさん(17)は「私たちの誇り」と目を赤くした。
抱き合い、両手を突き上げる生徒たち。2年生GKの神舎宏選手(17)の同級生、渡部碧さん(17)は「違う世界の人のよう」と声をうわずらせた。
皆実に校名変更して今年が60年。垣下洋教頭(60)は「節目の年に日本一なんて。一戦一戦子どもは成長した」と感慨に浸った。
【写真説明】日本一の瞬間、大歓声を上げて喜ぶ、皆実高会議室に集まった生徒たち