2009年01月13日(火) 11時43分
不況を受け、金融詐欺に絡むスパムが急増(japan.internet.com)
経済不況が深刻化する中、人々から金をだまし取ろうとスパマーが行動を活発化させているようだ。メッセージング セキュリティおよび管理サービスを手がける MessageLabs は、2009年に入ってから7日間で送信された金融関連のスパムは、2008年の同じ時期に比べて3倍以上にのぼったという報告を発表した。MessageLabs は2008年10月にセキュリティ大手 Symantec に6億9500万ドルで買収され、現在は Symantec の一部門となっている。
こうした金融関連のスパムは、2008年1月の第1週では送信されたスパム全体の3.1%を占めていたのに対し、2009年1月の第1週では10.2%を占めたという。こうした詐欺メールによるスパムは、たとえば、受信者が宝くじに当選したといった件名で送られてくる。
MessageLabs によれば、これに関連して、「419詐欺」(ナイジェリア詐欺) がより巧妙化する動きを見せているという。419詐欺とは、ナイジェリアにいる送信者が数百万ドルの資金を銀行口座に持っているが、自分では引き出すことができないため、メールの受信者が「手数料」を支払えば、これらの口座から資金を引き出せるようになるといった内容で、受信者から金品を巻き上げようとするものだ。
MessageLabs の2008年のセキュリティに関する年次報告書『2008 Annual Security Report』(PDFファイル) によれば、金融関連のスパムは、金融危機の中、2008年末にかけて増加し始めたという。
2009年は、各国政府が経済問題への対応で手一杯であり、不況の間経済の落ち込みが続くため、サイバー犯罪者が大いにのさばる年になるのではないかと懸念されている。
MessageLabs のスパム対策上級技術者、Matt Sergeant 氏は、取材に対して次のように述べている。「スパマー、特にこの手の (金融関連) スパマーは、人々が追い詰められる経済不況を逆手に取っている。さらにこうしたスパマーは、より多くのスパムを送りつけるべく、送信能力も強化している」
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