世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)で13日、老朽化に伴う劣化の度合いなどをチェックする市の健全度調査が始まった。初日は、市の委託を受けた業者が3カ所に看板を設け、敷地内に入って外壁や地盤の状態を目視などで確認している。
今後は高さ25メートルのドーム上部付近まで足場と落下防止用シートを設置。外壁のひび割れや、モルタルの浮き具合、鋼材の腐食、変形を調べる。微細なひび割れなどを発見するため、外壁の透水試験も行う。調査は3月末まで続ける。
問題点が見つかれば、市が設置している史跡原爆ドーム保存技術指導委員会(委員長・飯田喜四郎名古屋大名誉教授)の指導を受け、補修工事を進める。
健全度調査は、1989年度の保存工事以降、原則3年ごとに実施し、2005年度に続き6回目。
【写真説明】原爆ドームの敷地に入り、外壁の状態を確かめる作業員(撮影・藤井康正)