尾道市西土堂町にある昭和初期ごろの洋風長屋で、建築当初の姿に復元する改修工事が始まった。市中心部の歴史的建造物の外観改修費を市が補助する「まちなみ形成事業」の3件目。3月末までの完成を目指す。
申請者は、長屋に住むイラストレーター津留謙太郎さん(31)。長屋は木造平屋128平方メートルで、千光寺山南斜面に建つ。今月上旬、長屋の周囲に足場を組み、緑色のシートで囲んだ。現在は外壁を落とした状態。今後、傷んだ外壁下部に下見板を張り、モルタルで凹凸のある壁に仕上げる。屋根の修復なども進める。
津留さんは昨年、東京都から尾道へ移住。空き家が目立つ斜面地の活性化につなげようと同年9月に申請し、195万円の補助金を得た。
長屋一帯の斜面地では大正—昭和初期に洋風住宅が建てられた。今も15棟が残り、モダンな景観をとどめる。
【写真説明】外壁を落とし、改修が進む洋風長屋